超臨界とは?

物質の状態は一般的に固体、液体、気体ですが、さらに臨界点(Tc, Pc)以上の状態を超臨界流体と呼び、 気体の性質(高拡散性)と液体の性質(物質の溶解力)を持ち合わせています。この特性を活かして、医薬品・食品などの分野では環境負荷の高い有機溶媒の代替として、また、半導体・MEMSなどの分野では超微細部の洗浄・乾燥溶媒として利用することができ、環境にも優しい技術として注目されています。

超臨界流体の特長

表面張力ゼロ

有機溶剤と比較しても二酸化炭素の表面張力や粘度は非常に低く、超微細部への浸透・乾燥が可能になります。また、気体-液体の界面を存在させることなく二酸化炭素を除去できるため、乾燥によるダメージがありません。

二酸化炭素の粘度

二酸化炭素の表面張力

溶解力と拡散力

超臨界流体は液体としての性質(溶解力)と気体としての性質(拡散力)を持ち合わせています。その物性値は液体と気体の中間の値を持っています。 中でも超臨界二酸化炭素は分子同士の相互作用が小さいため超微細なところへ浸透でき、また密度を高くすることで溶解力を高められるため、古くから抽出溶媒として応用されてきました。また、温度・圧力の制御によって溶解力を大幅に変えることができるため、抽出後の成分との分離も容易になります。

気体、液体、超臨界流体の物性値
  気体 超臨界 流体 液体
密度 [kg/m3] 0.6~1.0 200~900 1000
粘度 [Pa・s] 10-5 10-5~10-4 10-4
拡散係数 [m2/s] 10-5 10-7~10-8 <10-9

地球に優しい

二酸化炭素は毒性、有害性および引火性もないため安全です。また、使用する二酸化炭素は火力発電所などで発生した二酸化炭素を回収し精製しているものであるため、新たに二酸化炭素を排出するものではありません。この技術の利用は排出される二酸化炭素の固定化にもつながります。

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